HP1 号試験用送受話器で主にH型自動構内交換機(PABX)の保守用に使用されていたいわゆるバッテンスキーと言われるものです。日本電信電話公社の仕様品であり、製造は、富士通信機製造株式会社(現在の富士通)で、昭和30年(1955)製です。プラグはTRS(チップ、リング及びスリーブ)で構成されています。ダイヤルは3号自動式電話機のものと同じ3号ダイヤルが使わていますが、経年劣化で戻りか少しゆっくりです。3号ダイヤルはTaiko(大興電気製作所)製です。握りの部分の塗装が一部分剥がれています。富士通の重厚な銘板が時代を物語っていると思います。 受話器及び送話器は、ドイツのSiemens社の仕様に準じたものです。これは富士通が古川グループとドイツのジーメンスハルスケ社との合弁会社であることに由来していると思われます。富士通はSiemens社の開発したH型自動交換機を製造しており、大阪、神戸、奈良、横浜および北九州地区の限定された地域で導入され、それ以外の地域ではA型の交換機でこれはアメリカで開発されたストロジーャ式を使用されていました。もう、70年近くも経っていますので、今では希少なものかもしれません。使用する事はないかもしれませんがご興味のある方、ぜひご検討よろしくお願いいたします。 ご覧いただきありがとうございます。